住宅ローンがどんな審査をされていて、事前審査と本審査でどの程度の時間がかかるのかは前回の投稿で述べた通りですが、いざ借りようと思うと、どこからいくら借りたらいいのだろうかと迷うと思います。
借入先を決める上で「金利」はとても重要なファクターですが、「借入額」「借入期間」をどうするか決めることもそれと同じくらいに重要です。
借入額と借入期間を決めれば、おのずと月々の返済額も概ね決まります。 (金利によって毎月の返済額は多少上下するので概ねと書きました)
しかし、いくら・どの期間という条件に関して万人にとって正しい解はなく、自分自身の家庭財政を鑑みて決めることが大切です。
住宅ローンを借りる上で、最初に考えておかなければならないのは「返済可能額」をきちんと理解しておくことです。
ここでいう「返済可能額」とは「借入可能額」とイコールではありません。
この2つの違いはしっかりと理解しておいて下さい。
例えば、「借入可能額が5000万だから予算5000万で家を買おう」ではなく、「無理なく返済出来る額が4000万だから4000万を一つ目安にして家を買おう」という考えの方がより安全です。
金融機関も諸所の条件を考慮して借入可能額を算出していますが、その額いっぱいまで借りるかどうかは自分の生活スタイルや子供の有無等を考慮して検討しましょう。
以前述べたように、返済負担率は20%~25%程度に抑えておくのが一般的に推奨されていますので、住宅ローン検討の初期段階ではこの数値を目安に借入額を考えるようにしましょう。
金利タイプ
住宅ローンの金利には「全期間固定金利」「当初固定金利」「変動金利」の3タイプがあります。
全期間固定金利
借り入れから完済までずっと同じ金利が適用される金利タイプ
他の金利タイプよりベース金利が高金利ですが、常に金利が一定なので金利上昇リスク無し
当初固定金利
借り入れから一定期間(当初期間)は同じ金利が適用される金利タイプ。
当初期間終了後は、新たに変動金利や固定金利などの金利タイプをその時点の金利で選択できる
ベース金利が当初期間は低金利ですが、期間後は高金利に設定されている場合が多い
変動金利
景気動向によって変動する調達金利(無担保コールレート・政策金利)に合わせて、住宅ローンの金利も変動する金利タイプ
ベース金利は低金利ですが、金利上昇に伴って月々の返済額が上昇するリスク有
どれを選ぶのかは今後の金利動向をどう読むかによって左右されるので難しいと思います(+_+)
それぞれの金利の特徴を把握し、ライフイベントを見据えて、自分たちの生活にマッチするものを選びましょう。
私たちは金利動向なんてとても読めないので、「最近景気は上向き傾向とはいえ、消費税も近々上がるし、しばらく金利は大きく上がらないだろう。住宅産業だって日本の一大産業だから、金利を上げて住宅が売れなくなるような状況には持ち込まないはず!」と希望的観測と金利がほぼ変動しないという前提で、トータルの返済額が少なくなりそうな変動金利を選択しました😁
とはいえ、著名なエコノミストだとしても数年数十年先の金利動向を完璧に言い当てることは難しいので、最終的にどれに決めるかは自分たちの生活が今後どのようになるかにあわせて、適するものを選ぶことが大切です。
諸費用
住宅ローンに必要な費用は、金利に連動する利息だけではありません。
事務手数料、保証料、団信料等の諸費用が必要になります。
金融機関によって事務手数料が無料だったり、団信料が金融機関負担だったりと様々ありますので、審査依頼をする金融機関に諸費用がどの程度になるのか確認しておきましょう😉
諸費用の中でも額の大きくなるものは事務手数料と保証料なので、以下ではその2つにフォーカスします。
事務手数料
住宅ローンの貸付にかかわる手数料のこと。
一般的に大手都市銀行(メガバンク)は事務手数料が31500円のところが多く、ネット銀行は借入額の2.1%を採用しているところが多いです。
これだけ見ると大手都市銀行の方が有利に見えますが、大手都市銀行は事務手数料が安い代わりに保証料を高く設定し、ネット銀行は保証料を無料にする代わりに事務手数料を借入額の0.2%に設定しています。
結局支払う額としては、実はどちらを選んでも大差ないです(;´Д`)
保証料
住宅ローンを提供している銀行が、保証会社の保証をつけるために必要な費用であり、融資する際の前提条件として扱われている銀行も少なくないです。
ここでの「保証」とは、借りた人が万が一ローンを支払えない状況になった際、保証会社にローンを肩代わりしてもらうことです。
もし返済が出来なくなって保証会社にローンを肩代わりしてもらったとしても、返済先が金融機関から保証会社に代わるだけですので、自分のローンが無くなるわけではありません
また、保証料を一括で払う「外枠方式」と、金利に上乗せして払う「内枠方式」があり、内枠方式の場合だと金利が0.15%~0.2%ほど上乗せされる場合が多いようです。 住宅ローンは借入金額が数千万円になるので金利が発生する母数が大きく、事務手数料と保証料をしっかりと検討対象にしておかないと数十万円損してしまう可能性もあります。
住宅ローンにおいて「金利」「借入額」「借入期間」は重要な要素です。
自分たちの生活に合わせて内容を精査することが大切ですが、一本に絞ることは簡単ではないので何社か仮審査を申し込んで話を聞いてみるのも一つの手段です。
色々と書き連ねてきた内容から分かるように、住宅ローンは考慮することも多いため非常に複雑です。
一朝一夕では理解し切れないでしょうから、FPの方や施工業者の担当営業の方に相談してみてもいいと思います😊